機能美と様式美の極み

こんにちは。 南青山クロンヌ ウォッチコンシェルジュ 阿部です。

今回はIWC ポルトギーゼクロノグラフをご紹介します。

 

IWCは1868年アメリカで「フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズ」によって始まり、スイスのシャフハウゼンで創立されたブランドです。

そのためスイスの伝統的な時計製造技術とドイツの機能美を取り入れた

「質実剛健」と評される歴史あるブランドです。

そのIWCで不動の人気を誇る「ポルトギーゼ」シリーズで

特に人気の高いポルトギーゼクロノグラフをご紹介します。

1939年発表、シンプルな3針からミニッツリピーター・トゥールビヨン

などの複雑機構まで様々なバリエーションを展開するシリーズです。

その中でもポルトギーゼクロノグラフが一番の人気を

得ているのは、バランスの良いデザインと機能性によるものでしょう。

 

 

一見何も特別な感じは受けないかも知れませんが、まず時計の顔「ダイアル」の印象が一番に目に飛び込んでくる、
そこがこの時計の凄いところです。

他の時計と見比べてみるとわかりますが、ベゼルの薄さ・細さにまず驚きます。

 

 

このベゼルの構造として特殊なのはケース側面から斜めに、まるでトランペットの朝顔のように広がりながら立ち上がっているところです。

それはフラットガラスの内側、ダイアルの目盛りリングも同様になっていて、

なるほど!とベゼルが薄く細く見える理由が理解できるのではないでしょうか。

実際に時計を見るとケースサイズ40.9mmの時計とは思いえない程大きく感じます。

ポルトギーゼクロノグラフとは、「時計のダイアルを最大限に」際立たせるために

「他の部分を可能な限りそぎ落とし目立たなく」したデザインの時計なのです。

ベルトの付くラグの形状も同様に、朝顔構造のベゼルの立ち上がりによって目立たなく、

プッシュボタンとリューズの形状もシンプルですが、決して質素などではなく

極めて洗練された簡素な機能美を感じます。

インデックスの字体についても見ていきましょう。

例えばブレゲやカルティエといった所謂フランス的な装飾的要素は一切無く、

あくまでも所有者が一目で読み取りやすいフォントを採用しています。

ここがまたドイツ的様式美といったところでしょうか。

アラビア数字のインデックスはインダイアルによって

12と6が切れた大胆なデザインですが、決して読みにくいことはありません。

それは、数字のレリーフのエッジがしっかり立っているので

多少どこかで途切れていたとしても脳内でしっかり認識できるからだと思います。

 

針もまたシンプルで洗練された、ダイアルのデザインを邪魔しない細身のリーフ型です。

これも、もちろん工夫と計算がなされた形状です。

柳の葉のように葉先に行くにつれ細くなるデザインですが、

インデックスに近いその端は僅かに曲げられています。

これは、ただの直線で作ってしまうと針とダイアルとの隙間が大きくなり

光が当たることによってダイアルに邪魔な影が出来てしまい、視認性に欠けます。

そのためダイアルと針を最大限に近づけ影を消し、細かく刻まれた見切りの目盛りを

正確に読み取れる設計となっています。

ここにもIWCのこだわりを感じとることが出来ます。

シンプルに見える時計こそ細かいディティールをじっくり見てみると

ブランドの様々な創意工夫が詰まっているのに気づきます。

特にIWCのように歴史があるからこそ昇華して出来た

秀逸なデザインは他に無いでしょう。

皆様には是非実物をじっくりご覧いただきその魅力に触れていただきたいとスタッフ一同思っております。

ご来店お待ちしております。

 

IWC – ポルトギーゼ クロノグラフ

Ref. IW371445

自動巻

素材 ステンレススティール/ ローズゴールド針

ケース径40.9mm

 

 

 

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