本来、今この瞬間の時間がわかれば事足りてしまう時計。
しかし単に時間表示の道具としてではなく、直径約4cmの中で 実に多様な表現をしようと時計技術者たちが挑戦し続けています。
腕時計が発明されてから200年あまり、時計師たちは緻密な設計と、 それを実体化するための精密極まりない作業をきわめてきました。 様々なブランドの中でも頂点と称されるパテックフィリップは芸術作品とも言われるほどの 素晴らしいタイムピースの製作を成功させ続けています。

2011年発表のグランドコンプリケーションモデルです。
掲載商品はこのシリーズの初代文字盤でレールウェイ目盛りが文字板の縁いっぱいまでデザインされています。 クロノグラフ積算計やカレンダーなどを表示するインナーダイヤルがレールウェイ目盛りの中に全て納まっているため、 見た目には一番すっきりした印象を受けます。
針は焼きを入れたリーフ型で現行品のものよりクラシカルな印象になっています。

パテック フィリップは1839年の創業以来、この究極の時計製作に挑戦し続けています。
これだけ多種多様なコンプリケーテッド・ウォッチを作り続けているマニュファクチュールは他にありません。
1989年に33もの複雑機構を有したキャリバー89を発表しましたが、未だにこれを超えるものはありません。

【クロノグラフ】
ストップウォッチ表示機能のこと。
プッシュボタンを押すことでクロノグラフ動作レバーを操作し、カムやコラムホイールなどで発信・停止・リセットを瞬時に行い任意の時間計測を行う機構のことです。
通常最近の高級ムーヴメントに使用されているクロノグラフは垂直クラッチ式がほとんどです。
しかし、CH 29-535PS Qは水平クラッチを採用しており、それはレマニア社のムーヴメントをベースとしていた古典へのオマージュではないのでしょうか。

【パーペチュアルカレンダー】
大の月(31日)小の月(30日)2月(28日)とうるう年(2月29日)に対応するため、 48か月で一周する複雑に計算されたカムを搭載したカレンダー機構のことを指します。
こちらの掲載商品は、これに昼夜表示機能(7時位置の小さな○)を付け、午前・午後の判別も可能にしています。

【ムーンフェイズ】
月の満ち欠けを29.5日周期で表示する機構。
ディスクには上下2つの月が描かれており、歯は59日で一周するように切られています。
ちなみに「月」はパテックフィリップの象徴だとも言われています。

｢一生に一本持てば満足｣とも｢パテックにはじまりパテックに終わる｣とも言われるパテックフィリップ。
その中でもこの至高の逸品「グランドコンプリケーション 5270G-001」を手にする喜びは
言うまでもなく、あなたの人生において重要な思い出の一つに加えられることは間違いありません。