~時計の取り扱い基礎②~

こんにちは。 南青山クロンヌ ウォッチコンシェルジュ阿部です。

前回は、時計の取り扱いの基礎をご紹介しましたが、

今回は時計の操作上の注意すべき点をご紹介していきます。

初めて機械式時計を購入される方などにご説明している内容も含まれます。

口頭ではお伝えしきれない事もご紹介できればと思います。

 

【リューズの操作】

大抵の腕時計は、リューズが2段階で引ける構造になっています。

1段目→日付の早送り

2段目→時・分針の操作

※ゼニス・エルプリメロは日付と時刻調整位置が逆になります。

 

 

※画像はエルプリメロ搭載のウブロ・スピリットオブビッグバン。

スケルトン構造で日付の切り替わりが良く見えます。

 

時刻調整手順(日付表示付き)

・リューズを針が回る位置に合わせ午前/午後問わず6時に針を調整します。

・リューズを日付調整の位置に合わせ日付を前日まで調整します。

・リューズを再度時刻調整の位置に合わせ任意の正確な時間と日付を針回しで調整します。

当店では時刻調整を、このようにしてしていただくようにお薦めしています。

日付だけを先に早送りしてしまうのは危険です。

「理由」・・・多くの機械式時計は、日付が替わる前後数時間のあいだ、カレンダー板を

動かすための歯車同志が噛み合った状態のためです。

 

※トリプルカレンダーの切り替えセクションの展開図

数時間で一気に切り替えるため様々なパーツが噛み合っています。

 

 

画像:外周の数字がカレンダー板

※左:日付を送ろうとしている状態   ※右:噛み合いの外れた状態

左上の様な状態は早送りが出来ない構造のものが多いため

無理に送ろうとすると、部品に多大な負荷がかかり破損してしまいます。

 

参考までに普段は見る事の無い地板(ベースプレート)の写真も添付します。

※画像:オーデマピゲCal.1120の文字盤側

金色の歯車が日送り車

 

 

《例外》

近年になり、時計のムーブメントにも改良が加えられ

簡単に・安全に操作しやすくなっています。

ロレックスの新型キャリバーは改良がされ、

どの時間であってもカレンダーの早送りが可能です。

・デイトジャスト41やディープシー11666から搭載のCal.3235

・デイデイト40に搭載のCal.3255

と言った、現行の3200系はまず安心です。

 

そしてこちら⇓

ブライトリング 「キャリバー01」です。

 

どちらも仕組みとしては、

日送りのパーツに一定の負荷がかかるとバネなどの作用によって

力が逃げるように設計されています。

 

各ブランドとも時計設計と技術がお客様目線を意識した

より簡単で安全な操作性をおもんぱかった改変が見られてきています。

 

時計の仕組み自体は200年以上大きく変わってはいませんが

付加部分の改変はメンテナンス回数の減少や部品の節約につながり

結果、お客様の手元で末永く時を刻み続けるため

ユーザーにとっては嬉しい限りです。

 

次回も時計をちょっとでも好きになっていただけるような

使い方のヒントを提供出来たらと思います。

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