~レザーストラップを知る~

こんにちは。 南青山クロンヌ ウォッチコンシェルジュ阿部です。

 

腕時計のベルトは消耗品であり、同時に個性を表現できるものでもあります。

もちろんメーカー純正もいいですが、バリエーションを楽しむのもありではないでしょうか。

今回はレザーストラップの種類や特徴、仕上げの違いをお伝えいたします。

 

時計のストラップはバッグや財布などと同様に「革」を使用しています。

◇革→鞣(なめ)し加工した動物の皮

◇皮→加工していない天然の動植物の皮

 

◆種類

時計に使われる革はワニ・トカゲ・ヘビなどの爬虫類が多く使われています。

 

〇ワニ→主に下記3種類がよく使われています。

・クロコダイル・・・クロコダイル属を指します。

中でもイリエワニ(スモールクロコ)は最高級品と言われています。

・アリゲーター・・・アリゲーター属を指します。

世界的にはクロコダイルより高級とされ高額で取引されています。

・カイマン・・・・革質が固くクロコダイルやアリゲーターに比べ品質的にも劣ります。

時計用としてはあまり使われません。

 

背側を「背ワニ」、腹側を「肚(はら)ワニ」と呼びます。

腹側から割いて鞣した背ワニはゴツゴツとしたワイルドなコブがあるのが特徴です。

反対に背側から割いた肚ワニはデザインと加工がしやすく、多くのメーカーで用いられます。

以下、肚ワニの特徴をいくつか説明します。

 

 

◆穿孔(せんこう)

肚ワニの斑には上部(下画像〇部分など)に針穴の様な点があり「穿孔(せんこう)」と言います。

これは感覚器官の一種とみられています。

目立つ・目立たない等の個体差はありますが、本物のクロコダイルの革を見分けるポイントになります。

 

 

◆斑・符(両方とも「ふ」と読む)

・肚ワニの丁度脇腹にあたる部分は模様が丸いため「丸斑」と呼ばれ、レディースで多く使われます。

・肚ワニの中央部分は模様が竹の節に似ているため「竹斑」と呼ばれ、メンズで多く使われます。

 

※丸斑(玉符)                  ※竹斑(竹符)

 

他の爬虫類

 

〇リザード→ナイルオオトカゲなどは斑が細かく汎用性の高い革です。

模様が細かいため細く仕立てても柄が消えないためレディースに多く使われます。

 

 

 

〇テジュー→リザードに似ているが、長方形の斑が特徴的

リザードと同様に鱗が細かいため、レディースに使用されます。

 

〇パイソンなどのヘビ革も柄が個性的でよく使われます。

ヘビ革はサイズが豊富なため、ストラップの幅に合わせた大小様々な鱗や柄を使い分けることが出来ます。

 

 

爬虫類以外で主なものとして・・・

 

〇カーフ→生後6か月以内の仔牛の革、クロコダイルと共に人気の高い素材

加工がしやすいため安価で型押し等のバリエーションが楽しめる素材です。

こうして加工した革は「エンボスレザー」とも呼ばれます。

表側をサンドペーパーで起毛させた毛足が短く高級感のあるヌバック、

裏側を起毛させ毛足の長いベロアと呼ばれる加工もあります。

 

〇その他、オーストリッチ(ダチョウ)・コードバン(馬)・サメ・エイなど。

 

 

続いては加工・仕様について

 

◆艶加工

ワニ革の場合・・・特殊な仕上げ剤を塗布し、メノウなどの表面の滑らかな石で磨き上げる加工

牛皮の場合・・・ガラス加工とも呼ばれる。ガラスや磨いた金属板に表皮を貼り付け塗装をした加工、他に塗料で表面を仕上げるエナメル加工などがある。

※ワニ革の艶加工(左側)とマット加工(右側)

 

◆ステッチ

ストラップの両サイドにステッチが入るとカジュアル感が出ます。

逆にステッチを入れないとドレッシーで高級感が出ます。

 

◆へり返し

革が芯材を包むようにクルリと巻き込んでいます。

使う革の量が多い分コストもかかるため高級仕立てとされています。

※画像はヘリ返し仕立て

表材と裏材を接着で貼り付けている場合が多いです。

 

※切り身仕立てとも呼ばれ、両サイドで皮を切っています。

コバの処理を施し、サイド面を仕上げてあります。

表材と裏材が剥がれないようにステッチの入ることが多いです。

 

 

◆裏材

肌に直接当たるため、表皮とは違う肌触りを重視した素材を使用します。

起毛させたカーフや汗の染みにくいウレタン素材など素材も多様です。

一度では紹介しきれませんでしたが、当店では上記を好きなようにカスタマイズできる

オーダーストラップのご注文も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

《オーダーストラップ URL》 https://www.couronne.info/html/page36.html

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