JAQUET DROZ GRANDE SECONDE

こんにちは。 南青山クロンヌ ウォッチコンシェルジュ木村です

今回は孤高の天才時計師ジャケドローをご紹介いたします。

HISTORY

 

 

1721年、ピエール-ジャケ・ドローは小さな農場の家に産まれます。小さな頃から時計や精密機械に興味を示し、大学では当時有名でした数学・物理学者のダニエル・ベルヌーイに師事します。1738年にはラ・ショー・ド・フォンに時計工房を設立した所からブランドは始まります。とても器用で注意深くそして真面目な性格と、機械の原理を熟考して実践する内にムーブメントに音楽機構やオートマタを組み合わせるようになります。

 

当時ヌーシャテル州知事であったミロール・マ レシャルと知り合い、知事はピエール-ジャケ・ドローに自らの作品を外国で発表するよう助言した所から国際的なキャリアへの第一歩を踏み出します。

 

1758年、スペインへ向かい国王フェルナンド6世に自らの作品を紹介します。

触れることなく指示通りに音を奏でるその置時計を前に、君主を始め見る者全てに衝撃を与えスペインの地で大成功を収めました。

 

1759年、ラ・ショー・ド・フォンに戻ったピエール-ジャケ・ドローは、息子アンリ・ルイと、養子として迎えた ジャン-フレデリック・レショーも制作に加わるようになり、ジャケ・ドロー&レショー社はより完璧で精緻なオートマタを製作し世に送り出していきます。

 

1774年、文筆家(The Writer)、画家(The Draughtsman)、音楽家(The Musician)という3体のオートマタをラ・ショード・フォンで発表します。この3体の傑作は、世界中の愛好家の視線を釘付けにしました。ピエール-ジャケ・ドローの名声を確立し、会社の成功を確実なものにしたのはこの3体のオートマタでした。

 

ジャケ・ドローは、当時のあらゆる技術を駆使して驚愕すべきオートマタを実現させた万能のエンジニアでした。高度な時計技術と精緻なオートマタの技術を美しい伝統工芸の技法で包み込み、ひとつの“芸術”へと高めています。

様々な置時計や懐中時計を製作しましたが、最大の功績はオートマタ(自動人形)です。

 

創始者ジャケ・ドローは、とても特別なビジョンを持つ時計師で、後に生まれてくるブレゲと比べますと、詩的な部分が多い発明家です。

 

しかしその後、1790年ジャケ・ドローがこの世を去り、一年後の1791年息子のアンリ・ルイも旅先のナポリで亡くなってしまいます。

この事によりブランド自体は、その歴史は表舞台から消えてしまいます。

 

永い休眠からの復活

 

ジャケ・ドローの時計工場は19世紀半ばにヨーロッパの戦乱及び後継者がいなくなったことから閉鎖に追い込まれます。

その後、一世紀以上の時を経て、シーベルヘグナー(現DKSHジャパン)とフランソワ・ボデ(ブレゲの社長を歴任し退社後)が手を組み、1996年に世界中の投資家たちの元にあった株式の大半を買い戻し見事に復興させました。

シーベルヘグナーは復興完了時点で手を引き、2000年にはボデより買収しスウォッチグループの傘下になりました。

 

 

デザインコード 【グランセコンド】

 

 

 

1784年頃にピエール-ジャケ・ドローが製作した懐中時計です。

無限や永遠、縁起も良いシンボルである数字の「8」を描く上記写真のデザインが、現代のジャケドローのアイコン的デザインコードになっています。

上部の時分針のインダイアルのインデックスがⅧからⅣまではローマ数字なのに対して5、6,7だけアラビア数字を採用しています。当時としては珍しく、ローマ数字とアラビア数字の合わせたデザインです。ローマ数字を読めない方でも、時刻を確認しやすくなっているのではないでしょうか。型にはまらずに柔軟な思考をもっているからこそのデザインです。

 

現在スオッッチグループに属し、創始者の血統を受け継ぐジャケ・ドローは、同グループのブランパンからムーブメントの供給を受けており、エナメル文字盤、パイヨンエナメル装飾、音楽機構、オートマタ(カラクリ)、複雑機構などを得意とし、280年以上の前のブランド精神を余すことなく引継ぎ現代の技術を合わせて時計創りを行っています。

 

GRANDE SECONDE SW ACIER

ブラックセラミックのベゼルと深みのあるブラックダイアルがバランスよく統一感があり、インダイアルを一段低くしていることで立体的な印象を残すと共に実用的な視認性を確保しています。

 

 

リューズガードのデザインも立体的に作り込まれており特徴的ですね。作り手の拘りが細部まで行き届いています。

 

 

ラグも中抜きされており、45㎜のケースながら非常に軽量です。

 

ルテニウム加工を施したムーブメントは、シリコン製のヒゲゼンマイとアンクルの先の箱を使用する事で耐衝撃性に優れてます。

温度差や圧力の差に強いシリコンは磁力の影響を受けず、見事な精度の安定性を発揮します。
また、非常に柔軟な素材なので、実際にムーブメント内で仕様しているブランドは多くありません。

 

傷がつきにくいセラミックベゼルや、ラバー使用のストラップなので普段でも使いやすく、上品な黒でまとめてあることでフォーマルな時でもお使いいただけます。

 

生産本数自体が少ない為、市場に出回る事もあまりないので気になっている方がいらっしゃいましたら是非、ご連絡の上店頭にお越しくださいませ。

 

グランセコンドSW ACIER

Ref,J029030440

Cal. 2663A-S

ステンレススチール/セラミックベゼル

サイズ45mm、

パワーリザーブ約68時間(ツインバレル)

防水5気圧防水

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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