ロレックス GMTマスターⅡ ファットレディー

1. ヴィンテージロレックスの高騰

こんにちは、ウォッチコンシェルジュの木村です。今回はGMTマスターⅡのファットレディーについてご紹介します。

 

ロレックスから2018年に発表されたステンレスのペプシベゼルを搭載したGMTマスターⅡ Ref, 126710BLROは世界中で話題になりましたが、正規店では品切れが続いており並行輸入店では現在新品はプレミア価格で、定価の倍以上で販売されております。

 

 

そのGMTマスターの原点とも言えるアンティークモデルの希少性が高い物は、同じ価格位まで高騰しております。マニア垂涎の的はあくまでも発売当時のオリジナルコンディションが大切な条件となっているようです。

 

2.時代背景について

人類は第二次世界大戦後に戦争によって培われた航空技術が民間へと浸透していく時代でした。世界初となるジェット旅客機が定期便を就航させるなど、大型旅客機時代を迎えようとしていました。進化が進んだ航空業界は、運航時間の管理もありホームタイムとローカルタイムの二つのタイムゾーンを表示できる時計を模索していました。そんな中パン・アメリカン航空から1953年に依頼を受け、ロレックス創業者のハンス・ウイルスドルフはジュネーブの高名な時計製作者ルイ・コティエ氏によって開発されたワールドタイムをベーシックに改良する事で、よりシンプルで完成度の高いGMTを1945年に完成させ、パン・アメリカン航空の公式ウォッチに採用されました。1955年には最初のGMTマスターが市販に発表され、素材の変更はあるもののデザインは今でも変わることなく使用されています。

 

3. ヴィンテージロレックスの名作【ファットレディー】のご紹介です

 

 

 

1980年代に発売されたGMTマスターIIの初期ロットモデル”16760″のことを指します。別名ソフィアローレンとも呼ばれるそうです。ファットレディーRef.16760は1983年頃~1988年に僅か5年と非常に短い生産期間で作られた“GMTマスターII”のファーストモデルです。製造数が少なかったため、現在では市場に出回ることは殆どなく、コレクターズアイテムとして時計ファン眉唾の一本として有名です。

名前の由来通り他のGMTマスターよりもケース厚が太いことを表現しています。ケース厚が12.5mmあり通常モデルが12mmでわずかその差は0.5mmです。16760 ファットレディのケースサイズは1980年代のロレックスとしては当時大きい直径40mmを採用しています。このサイズ感にGMTマスターの特徴がでておりアンティークモデルも現行モデルも同じ40mmケースを使用しています。また、ファットレディは当時の現行のオリジナルでは黒赤のベゼルしか存在しておりません。当時はGMTマスターIとIIが同時期に流通しており赤青ベゼルと黒ベゼルのみのⅠに対して上位機種の位置づけでⅡが初の黒赤ベゼルで発表されております。

 

 

オリジナルの文字盤にはSWISS-T<25の表記が6時位置にあり針の夜光部分も全てトリチウムが使われてます。1980年代のヴィンテージロレックスの中でもオリジナルのGMTマスターII 16760ファットレディの黒赤ベゼルは非常に貴重なベゼルカラーになります。80年代のモデルなので付属品がないものも多いですが、保証書付きは少なく更に希少性が高くなるポイントです。

4.そして

現在から約40年前に製造されていた時計が、コンディションさえ維持していれば現在でも使用できると、ヴィンテージ時計はその佇まいから歴史を物語っています。使い捨ての消費が増えている中で腕時計というアイテムは高額ですが世代を超えて使い続けれる所に素晴らしい魅力があるのではないでしょうか。

 

※参考資料LOWBEAT No,14

 

ROLEX

オイスターパーペチュアル GMTマスターⅡ ファットレディ

Ref,16760

ステンレススチール

自動巻き/Cal.3085

1987年販売販売の保証付き

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